デマと知りながらデマを垂れ流している悪質かつ不審人物が多数います。騙されないように気をつけてください。

「PCR検査 水に陽性反応」は誤解

次のような画像や動画を出して「PCR検査は水でも陽性になる。PCR検査結果はデタラメだ!」と主張する人がいますが、それは誤解です。

画像

動画

問題の記事と検査結果PDF

上の動画のスーパーには2021年3月23日の「地方消費者委員会」と書いてありますね。その中で問題にされた記事(3月17日)がこちら。


https://www.asahi.com/articles/ASP3K52T0P33PLBJ002.html

検査結果のWebページはこちら。
https://www.nihs.go.jp/mtgt/covid-19info.html

そのページにリンクされてる検査結果のPDFはこちら。
https://www.nihs.go.jp/mtgt/pdf/COVID-19-NAT-test-02.pdf

「水でも陽性反応」と問題にされたのはPDFの赤丸の部分。

ダナフォームのSmartAmp 2019が33%の疑陽性、MBLのMEBRIGHTが17%の疑陽性と書かれています。

誤解1:ダナフォームの「SmartAmp 2019」はPCR検査ではない

記事の「など」のところに赤字を引いておきましたが、ダナフォームの「SmartAmp 2019」は、SmartAmp法と呼ばれる検査であり(LAMP法と同じく)「等温増幅法」の一種です。PCR法(等温増幅法ではない)とは異なります。

ちなみにこの検査で疑陽性が発生した理由は、不適切な測定プレートと測定装置の組み合わせであったことが判明し、適切な組み合わせで行った352回の追加検査では1度も疑陽性は確認されなかった

(検査結果PDFより→)ダナフォーム社による検証の結果,今回の測定プレートと測定装置の組み合わせ〔MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(#N8010560)およびABI7500〕を用いると,376回の検査のうち,47回で当該現象(以下,偽陽性と表記)が発生することが確認された.

一方,例えば,測定プレート「Multiplate PCR プレート(#MLL9651)」および測定装置「CFX96 Touch」の組み合わせでは,352回の検査で偽陽性は一例も観察されなかった.すなわち,偽陽性が生じる組み合わせと生じない組み合わせがあることが判明した

既に関連検査施設には「偽陽性が生じないことが確認された組み合わせ」のみを使用するよう周知されている.また,取扱説明書においても同様の説明がなされている.

また、過去に、不適切なプレートと測定装置の組み合わせの製品を販売したことがないことを確認している。

これまでの販売先には実際に使用されている機種およびプレートの確認を行った結果、偽陽性が発生するリスクのある機器とプレートとの組み合わせで使用されていた機関は一切ないことを確認した
https://www.dnaform.jp/ja/wp-content/uploads/2021/02/4ee703b0d30634fd4ed05b154bcf28ca.pdf?

誤解2:MBLのMEBRIGHTの疑陽性は操作上のミス

MBLのMEBRIGHTでは追加検証として279回の検査を行いましたが1度も疑陽性は確認されませんでした。調査の結果、公表された最初の検査は「操作上のミス(コンタミネーション)」によるものと結論付けられました。

(検査結果PDFより→)MBL社における追加検証の結果,同一の陰性検体を合計279回検査しても同じ現象は再現されず,「操作上のミス(コンタミネーション)による検出」と考察された.詳細はMBL社の検証結果報告書を参照(https://ivd.mbl.co.jp/diagnostics/products/SARS-CoV-2/simultaneous_test.html#verification

誤解3:「12回のテストで4回陽性」はミスリーディング

この記事の最初にある画像と動画には12回のテストで4回陽性」と書かれていますが、それはダナフォームのテストのみの結果(33%が疑陽性です。検査全体の結果が「12回のテストで4回陽性」のような印象を与えますが、違います。今回の検査全数(39件)で平均すると1.28%の疑陽性です。「78回に1回の疑陽性」ですね。ただし今回は操作上のミスのためにそうなりましたが、適切に行われる検査においてPCR検査の疑陽性はほぼ100%出ません。それは理論上からも、現場の医師によっても、確認されています。

 

 

 

 

検索キーワード:水でも陽性 水道水