デマと知りながらデマを垂れ流している悪質かつ不審人物が多数います。騙されないように気をつけてください。

「ワクチンのロットによって死亡報告数に偏りがある」はデマ

「副反応疑いの重篤・死亡報告」について

この記事で厚労省が公表している「副反応疑いの重篤・死亡報告」は、ワクチン接種後に起きた有害事象の報告のことであり、調査の結果、ほとんどはワクチンが原因ではないとされています(特に死亡については、2021年9月26日現在、ワクチンとの因果関係が認められたものはありません)。

ワクチンロットデマ(1)

デマの内容

次のような画像を出して

デマッター

新型コロナワクチンのロットにより死亡報告数に偏りがある。いい加減に作られたワクチンで質が一定してないからだ!

と主張する人がいますが、デマです。

解説(1)日にちの経過に従って報告数が増えてるだけ

デマッターが出した上記のデータをロットの出荷日順に並べ直してみると下の表のようになります。


予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について(2021/6/23)」より

副反応疑い報告状況のデータの探し方

副反応疑い報告状況のデータは、「新型コロナワクチンの副反応疑い報告について(厚生労働省)」のページの「報告された事例と評価について」にあります。

上図の並べ直された表を見ると、副反応疑い報告の数値に差があるものの、「ばらついてる」というのとはちょっと違いますよね。日にちが経過したロットほど副反応疑いの報告数が増えていることが分かります。

解説(2)ロットの接種が完了してないのでデータが不安定

上の表に、各ロットごとの「接種期間」(「コロナワクチン副反応データベース」参照)を追加したのが下の表です。

上のデータが公表された時点(6月23日)で、まだほとんどのロットが接種の実施中だったことが分かります。つまりまだデータが安定していなかった可能性があります。

というわけで、該当ロットの接種が終わっていたと思われる8月25日公表のデータで置きかえてみると、下図のようになります。

デマッターが出したデータと比べると、副反応疑い(重篤・死亡)の報告数がかなり均一化してますよね。

解説(3)報告が多いロットは高齢者が多い

以下はニュース記事のタイトルです。

これを見ると、高齢者の接種が本格的に実施されたのが5月初旬~7月であり、6月に入ってから一般接種が始まったことが分かります。

副反応疑い報告が多めのロット(下の表の上5行)の接種期間は高齢者接種が本格化していた時期(5月初旬~7月)と重なっており、報告が少なめのロット(下の表の下3行)の接種期間は一般接種が始まった時期(6月~)と重なっています。

ロットごとに75歳以上の副反応疑い報告数を調べてみても(「コロナワクチン副反応データベース」参照)、報告が多いロットほど高齢者が多い傾向があるように思われます。

ワクチンとの因果関係はまた別の話になりますが、高齢者は若い人よりも体調を崩しやすいため、高齢者接種が多かったロットほど(日にちが経つにつれて)報告数が多くなった可能性がありそうです。

解説(4)初期ロットほど丁寧に報告されていた可能性

新型コロナワクチンは、世界中で注目を集めている新しいワクチンであるため、最初のうちはほぼ無関係の有害事象と思われるものも積極的に(丁寧に)報告されていた可能性があります。

参考記事:「ロットで副反応の発生数が違うのは治験のプラセボが混じっているから」はデマ(伊賀治氏)

ワクチンロットデマ(2)

デマの内容

次のような画像を出して

デマッター

新型コロナワクチンのロットにより死亡報告数に偏りがある。わずか1年で作った質の悪いワクチンだからだ!

と主張する人がいますが、デマです。

https://twitter.com/GLHF2021/status/1415921945523023872

「わずか1年で作ったワクチン」というのは間違いですが、その話は「mRNAワクチンの技術は30年に及ぶ研究の集大成」を参照していただくとして、本来の話を続けましょう。

解説

「ロットに偏りがある」としてデマッターが出した上の画像ですが、矢印の右側の数字は「(ワクチン接種後の)死亡報告数」ですね。

同じデータを(この記事執筆時点で)最新の「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について(2021/8/25)」から拾って、出荷開始日でソートしてみると下の表のようになります(上の画像の赤枠は下の表ではオレンジの背景、緑枠は緑の背景に置き換えています)。

あれ? デマッターの画像では飛び飛びに並んでいたロットが、すべて1か所に集まりましたね。どうしてデマッターはわざわざロットを飛び飛びに配置した画像を見せていたのでしょうか? 何らかのキーでソートしたわけでもなさそうなんですが…(苦笑)。

更に表を次のように編集しました(「コロナワクチン副反応データベース」参照)。

  • 「75歳以上」の列を追加(副反応疑いの報告数のうち75歳以上の報告数)
  • 副反応疑い報告のうち最も古い「接種日~」と最も新しい「~接種日」を追加
  • 「推定接種者数」「死亡率」を追加
  • 「推定接種者数」が極端に少ない行(200万人以下の行)を削除
  • 「出荷開始日」でソート

そうすると下図のようになります。

デマッターが最初に出していたデータと比べると、死亡報告数の極端なばらつきがなくなってますよね。つまりロットの副反応疑い報告数が偏っていたように見えた理由として、次のようなことが言えると思います。

  • 報告数が偏って見えるようにするため、デマッターが意図的にロットの表示順を変えていた
  • 推定接種者数が極端に少ないロットが混じっていた
  • まだ接種実施中のロットが含まれていたため、データが安定していなかった
  • 副反応疑い報告数が多いロットは高齢者の接種率が多かった(若い人に比べて高齢者は体調を崩しやすい)(高齢者接種が本格化したのが5月初旬~7月、一般接種は6月から)
  • 初期ロットほど丁寧に報告されていた可能性

ワクチンロットデマ(3)

デマの内容

次のような画像を出して

デマッター

新型コロナワクチンのロットにより死亡報告者数に偏りがある。ワクチンの接種は見合わせたほうがいい!

と主張する人がいますが、デマです。

自分自身の免疫力を高めるよう健康的な生活を心がけ自然治癒力を高めよう。持病などなく元気な人は枠珍接種は見合せた方が良いのでは。枠珍ロットにより副反応や死亡者数にも隔たりがあるようです。

https://twitter.com/junkun1958/status/1429398739475582977

解説

このツイ主は、上図の赤い文字のロット「ET9096」の死亡率40%と青い文字のロット「EX6564」の死亡率0%を比較して「ロットによって死亡者数が大きく違う」と主張しているようですが…。

なんですか、このただし書きは?

日本語が変です。「死亡率は100万回接種あたりの死亡数」って何ですか?(苦笑)

「死亡」の欄に「死亡」を入れないでください。 「死亡率」と「100万回接種あたりの死亡数」は全く意味が違います。はい、アウトです

さらに指摘すると、「100万回接種あたり」を算出する対象として、「死亡報告数が多めのロット」と「死亡報告数が0のロット」を選んでますよね。0は何倍しても0ですから、それぞれの死亡数を恣意的な値で乗算することで、2つの死亡数の差(開き)を好きなように調節してイメージ操作できてしまいます。正しい比較のしかたとは言えませんね。

ちなみに、この2つのロット「ET9096」と「EX6564」の本当の(有害事象報告の)死亡率は、

  • ET9096 → 11 / 297,180 * 100 = 0.0037%
  • EX65640%

となりますね(下表参照)。

「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について(2021/8/4)」より

参考記事

ツイッターでいつもお世話になっている BIG_S 氏(@FOUR_TIMES_FUN)のツイートを基に記事を書かせていただきました。また、「コロナワクチン副反応データベース」について教えていただきました。ありがとうございました。

デマッターが拡散してる、ワクチンのロットによる副反応が違う!の件。 ロットじゃなくって、出荷日じゃない? 初期の高齢者の方がって話じゃね? ま、それでも喜びそうなので、良い子の皆さん使い方は気を付けてね。 一枚目が並び替えたものと元のものの比較。 二枚目はデマッターが流してる画像。


https://twitter.com/FOUR_TIMES_FUN/status/1427166939441340416

なるほど。 以前添付の表で、ロット毎に有害事象で報告された死者数が違うのは、初期は高齢者が多かったからでは?と書いた。 デマッターKの資料に初期の医療従事者の実績が出てた。 仮説証明完了。 医療従事者の有害事象中の死亡報告と比較すると高齢者接種の報告は激増。 Thanks デマッター。
https://twitter.com/FOUR_TIMES_FUN/status/1429330384609705985

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