デマと知りながらデマを垂れ流している悪質かつ不審人物が多数います。騙されないように気をつけてください。

「妊娠20週目までにワクチンを打った人の流産率は82%」はデマ

現在この記事内容について見直しを行っています。

記事の表題の通り、デマというのは間違いないようですが、その理由について見直しをしています。

ご迷惑をおかけしますが、ご了解ください。

次のような、妊婦に対する新型コロナワクチンの安全性を調べた論文(予備調査)の表を根拠として、

デマッター

妊娠20週目までにワクチンを打った人の流産率は82%

と主張する人がいますが、デマです。

デマッターのツイートの例

 

デマッターが「流産率は82%」の根拠として出してる論文中の表がこちらです。

上記画像の中でデマッターが赤線で囲った部分をまとめるとこうなります。

日本語に翻訳するとこうなります。


※図中の赤線にある通り、この表のデータは、妊娠登録者3,958人のうち、妊娠を終えた827人に関するデータです。

† Data on pregnancy loss are based on 827 participants in the v-safe pregnancy registry who received an mRNA Covid-19 vaccine (BNT162b2 [Pfizer–BioNTech] or mRNA-1273 [Moderna]) from December 14, 2020, to February 28, 2021, and who reported a completed pregnancy.
† 妊娠損失に関するデータは、2020年12月14日~2021年2月28日の間に mRNA 新型コロナワクチン(BNT162b2 [Pfizer–BioNTech]またはmRNA-1273 [Moderna])を接種し、v-safeに妊娠登録し、妊娠を終えた827人の参加者に基づいています。

A total of 700 participants (84.6%) received their first eligible dose in the third trimester.
このうち700人の参加者(84.6%)が妊娠の第3期に最初のワクチンを接種しました(※ブログ主の補足:残りの127人は第1期の直前~第2期にワクチンを接種しました)。

米国の妊娠期間の区分
  • 第1期…0~12週
  • 第2期…13~24週
  • 第3期…25週から分娩まで

Data on neonatal outcomes are based on 724 live-born infants, including 12 sets of multiples.
新生児の転帰(症状・状態の経過や結果)に関するデータは、724人の生産児(12組の多胎児を含む)に基づいています。

‡ A total of 96 of 104 spontaneous abortions (92.3%) occurred before 13 weeks of gestation.
‡ 104件中96件の自然流産(92.3%)が妊娠13週前に発生しました。

 

デマッターの主張を再掲します。

デマッター

妊娠20週目までに打った人は127人、流産したのは104人、流産率は82%ということらしい

「127人」という数字がどこから出てきたかというと、画像の下段にある「新型コロナワクチンを接種した827人の参加者」「700人の参加者(84.6%)が妊娠の第3期に最初のワクチンを接種」というところですね。

「ワクチンを打った827人の参加者」から「妊娠の第3期にワクチンを接種した700人」を引くと、「妊娠20週目まで(妊娠の第1期の直前~第2期)に(ワクチンを)打った人は127人」となるわけです。

で、(妊娠20週目までに)「流産したのは104人」という数字はここから取ってますね。

  • 妊娠20週目までにワクチンを打った人が127人
  • 妊娠20週目までに流産した人が104人

だから

デマッター

妊娠20週目までにワクチンを打った人が流産する確率は、104/127×100≒82%

という主張です。

なんかおかしいことに気付きました?

デマッターは下図のような想定の計算をしてるんですよね。

いや違うから。

流産した104人は、「ワクチンを接種した127人の中の人」とは限りません。

こちらがより適切な想定です。

流産した104人というのは、ワクチンを打った127人のうちの誰かかもしれませんが、同時に、ワクチンを打ってない人の誰かかもしれません。

デマに騙されやすい点

最終的には827人の全員がワクチンを打ったわけですが、流産した人がその時点でワクチンを打っていたとは限りません。

デマッターの計算がデタラメなんです。

デマッターが言うように、妊娠20週までのワクチンを打った人の流産確率を求めたかったら、

(妊娠20週目までにワクチンを接種した人のうち流産した人数)/妊娠20週目までにワクチンを接種した人数127人×100

という式の答えを出さなければいけませんが、「妊娠20週目までにワクチンを接種した人のうち流産した人数」が分かっていません(論文のどっかに書いてあります?)。

だから、デマッターが想定している流産率の答えが出るわけがないんです。

 

ちなみに(妊娠を終えた人達の)「妊娠20週以内の自然流産の確率」については、ワクチンを接種した人と接種してない人が混在している状態での計算ですが、新型コロナが起きる前の確率と変わらないことが論文中の表からも示されています。

日本の流産率

ちなみに、日本の場合、妊娠初期における流産率は8%~15%くらい、全妊娠における流産率は10%~15%くらいだそうです。米国よりも流産率が低めですね。

「初期流産 確率」で検索

そもそも、論文の冒頭でこう書かれているのですから、デマッターはおかしなことを言ってることにどうして気付かないのか不思議ですね。(いや不思議じゃないか)

calculated proportions of adverse pregnancy and neonatal outcomes in persons vaccinated against Covid-19 who had a completed pregnancy were similar to incidences reported in studies involving pregnant women that were conducted before the Covid-19 pandemic.
新型コロナワクチンを接種し妊娠を終えた人達における異常妊娠と新生児転帰(症状・状態の経過や結果)の割合は、新型コロナのパンデミックの前に実施された研究報告(妊婦を含む)における発生率と同様でした。

CONCLUSIONS
結論
Preliminary findings did not show obvious safety signals among pregnant persons who received mRNA Covid-19 vaccines.
予備調査結果では、新型コロナワクチン(mRNAワクチン)を接種した妊婦において、明らかな安全性の懸念は示されませんでした。

まとめ

論文「Preliminary Findings of mRNA Covid-19 Vaccine Safety in Pregnant Persons」によると、新型コロナワクチンを接種し妊娠を終えた(出産、流産、死産など)人の異常妊娠と新生児転帰(症状・状態の経過や結果)の割合は、パンデミック前の調査と変わらなかった。

妊娠を終えた(出産、流産、死産など)827人のデータ

Among 827 participants who had a completed pregnancy, the pregnancy resulted in a live birth in 712 (86.1%), in a spontaneous abortion in 104 (12.6%), in stillbirth in 1 (0.1%), and in other outcomes (induced abortion and ectopic pregnancy) in 10 (1.2%).
妊娠を終えた(出産、流産、死産など)827人のうち、712人(86.1%)が出産、104人(12.6%)が自然流産、1人(0.1%)が死産、その他が10人(中絶、子宮外妊娠など1.2%)でした(流産合計115人(13.9%))。

A total of 96 of 104 spontaneous abortions (92.3%) occurred before 13 weeks of gestation (Table 4)
104の自然流産のうち96(92.3%)が妊娠13週目より前(つまり第1期)に起きました(テーブル4)。

700 of 712 pregnancies that resulted in a live birth (98.3%) were among persons who received their first eligible vaccine dose in the third trimester
出産した712人のうち700人(98.3%)は、第3期に最初のワクチンを接種していました。


論文中の Table 3 と同じく1つの期を14週としています。

【重要】自然流産した人が(その時点で)ワクチンを接種していたとは限りません。

下の表は、妊娠を終えた(出産、流産、死産など)827人の妊娠20週以内の自然流産率が12.6%だったことを示しています。

デマに騙されやすい人の特徴

論文が「妊婦に対するワクチン接種の安全性」を調べたものという連想からなのか、かたくなに次のように思い込もうとする人がいるようです。

  • 20週以内に流産した妊婦は全員ワクチンを接種していたはず
  • ワクチンを接種した人達のうち20週以内に何%が流産したのか正確な答えが出るはず

そしてその思い込みから、論文に書かれていない独自の妄想データや妄想計算式を作り上げ、自分の妄想通りに話を曲げ、デタラメな解を導き出しています。

(いや、そんなすごい数値が出るなら論文作成者がスルーするはずないじゃないですか。「自分は気付いた!」と自信満々みたいですが間違ってますよ)

事実の上に妄想を置いたり、妄想の上に妄想を積み上げるのはやめましょう。

 

今回の「20週以内」の調査結果は、新型コロナワクチンを全く打ってない(過去の)グループと、新型コロナワクチンを打った人を混ぜたグループの自然流産率を比較した調査と言えます。

それぞれの特徴を持ったグループの傾向を比較したのであって、ワクチン接種者と自然流産した個人の関係にこだわって調べたものではありません。

 

現在この記事内容について見直しを行っています。

記事の表題の通り、デマというのは間違いないようですが、その理由について見直しをしています。

ご迷惑をおかけしますが、ご了解ください。

 

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もも
もも
15 days ago

最後の投稿です、しつこくてすみません。
827人全員が第一期の最初かその直前に新型コロナワクチンを打ってるとは思っていません。ワクチンの接種時期は以下のように認識した上での計算です。
論文に827人のうち700人が第3期に最初のワクチンを接種したと書いてあります。(従って残りの127人は第1期と第2期に接種)
題目が妊娠中の女性におけるワクチンの安全性の予備的調査でワクチン接種後の妊娠損失に関するデータを論じているわけですからワクチンをまだ打ってない人が流産したケースは含まれていないと思います。

もも
もも
17 days ago

私も82%の計算はおかしいと思います。
ですが、妊娠20週目までにワクチンを接種した人のうち流産した人数は不明ですが13週以前に96件あったことは判ります。
従って、28週未満の流産率は少なくとも96/127=75.6%以上と導き出せます。
それでも異常に高い確率であることにに変わらないと思います。
★流産事例の 104件のうち、妊娠 13週以前の事例は 96件 (92.3%)
 (104件のうち、8件は流産時期が不明、827人中700人が妊娠 28週以降の人たち)
貴殿の記事に誤りがないか再確認して頂ければ幸いです。

P.S ワクチンを打ってない人の誰かとありますが827人全員が接種しているのではないですか。

もも
もも
Reply to  ほえ
16 days ago

早速の回答、ありがとうございます。
104件の自然流産は妊娠20週より前に起きたとTable.4の右上に書いてあることを見落としていました、大変、申し訳ありません。
流産した人が全員ワクチンを接種していたとはどこにも書いてない点に注意してくださいとありますが、妊娠損失に関するデータは、ワクチンを摂取し、妊娠を終えた827人の参加者に基づいていますと書かれていますのし、ワクチンを摂取した827人の追跡調査でないと論文になりませんよね。
つまり、妊娠第1期と第2期に接種した人の流産率が82%(104/127)となるとの解釈で宜しいでしょうか。