デマと知りながらデマを垂れ流している悪質かつ不審人物が多数います。騙されないように気をつけてください。

「ワクチンによるスパイクタンパクがDNAの修復を阻害する」はデマ

デマの内容

デマッター

ワクチンを接種すると、スパイクタンパク質が細胞核に入ってDNAの修復を阻害する!

そういう論文がある!

ワクチン危険! ワクチンやめろ!

と主張する人がいますが、デマです。

更に

デマッター

だから癌になる!

と尾ひれを付けているデマッターもいますが、もちろん根拠のないデマです。

このデマの根拠としてデマッターに悪用されているのが以下の論文です。

解説

結論

デマです。

  • 論文は新型コロナウイルスのスパイクタンパク質について研究したものです。新型コロナワクチンで作られるスパイクタンパク質は、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を改良したものであり、この研究結果をそのままワクチンにあてはめることはできません。
  • この研究結果は、生きている動物やヒトによる試験で再現されておらず、臨床的および生理学的な妥当性が確認されていません。
  • 実験の詳細について不明点が多いこと、様々な配慮が不十分であることなどが指摘されています。
  • 2021年12月22日、この論文に対する懸念が提起され、詳細な調査が開始されました。

PolitiFactのファクトチェック

以下はPolitiFactのファクトチェック記事からの抜粋です。

An Oct. 13 paper claiming that the spike protein can cause DNA damage has circulated on social media, causing uncertainty about whether these findings are relevant to the COVID-19 vaccines.
スパイクタンパク質がDNAの損傷を引き起こすと主張する(2021年)10月13日の論文がソーシャルメディア上で拡散され、新型コロナワクチンと関連しているかのような噂が流されています。

The lab-based context in which the study was conducted, however, limits its relevance to real life conditions outside the lab. And the study’s findings should not be directly translated to the COVID-19 vaccines, which use modified versions of the spike protein.
しかし、この研究は実験室の中のみで行われたものであり、実験室外の現実世界にそのまま適用できるものではありません。また、この研究結果は、スパイクタンパク質の改良型を使用している新型コロナワクチンそのまま反映されるものではありません

The study in question
問題の研究

Researchers from two Swedish universities introduced into isolated human kidney cells genetic material containing instructions to produce different proteins that make up the COVID-19 virus, including the spike protein. They then examined where these proteins are primarily located in the cell, and tested whether the proteins affected the cell’s DNA damage repair system.
スウェーデンの2つの大学の研究者たちは、分離したヒトの腎臓細胞に、新型コロナウイルスを構成するさまざまなタンパク質(スパイクタンパク質はその1つ)の生成を指示する遺伝物質を導入しました。そして、これらのタンパク質が細胞内のどこに存在するかを調べ、そのタンパク質が細胞のDNA損傷修復システムに影響を与えるかどうかをテストしました。

The researchers found that spike proteins were present in the cell nucleus, the part of the cell that houses DNA. They attributed a reduction in DNA repair efficiency to hindered recruitment of specific proteins involved in the repair process.
研究チームは、(新型コロナウイルスの)スパイクタンパク質が、細胞の核(DNAがある部分)に存在していることを発見しました。彼らは、修復プロセスに関与する特定のタンパク質の増加が妨げられたためDNAの修復効率が低下したのだと考えました。

Their findings differ from previous studies that have found the spike protein to be located primarily outside the nucleus. Studies on the related coronavirus that causes SARS have also found its spike protein to be located in areas outside the nucleus.
今回の発見は、(コロナウイルスの)スパイクタンパク質が主に核の外側に存在しているというこれまでの研究とは異なるものです。SARSの原因となる別のコロナウイルスに関する研究でも、(ウイルスの)スパイクタンパク質は核の外側に存在していることが分かっています。

Relevance to vaccines
ワクチンとの関連性

There are three main types of COVID-19 vaccines that are currently available or being tested in the U.S. Each one involves introducing modified versions of the spike protein to the body in order to prime the immune system to recognize the COVID-19 virus and build defenses against it. This modified version of the spike protein prevents it from assuming the structure that would normally allow it to fuse with the membranes of other cells, unlike the spike protein coded for in the kidney cell study.
現在、米国で入手可能または試験中の新型コロナワクチンとして、主に3つのタイプがあります。いずれも、改変したスパイクタンパク質を体内に導入することにより、免疫系に新型コロナウイルスだと(誤)認識させ、それに対する防御を構築するよう仕向けるものです。ワクチンで用いられる改良型スパイクタンパク質は、腎臓細胞の研究でコード(生成)されたスパイクタンパク質とは異なり、他の細胞膜と融合できない構造になっています

Unanswered questions also remain.
また、未解決の問題も残されています。

“There are a lot of caveats before we can say there is a direct correlation between the vaccines and DNA repair,” said Andre Hudson, head of the Thomas H. Gosnell School of Life Sciences of the Rochester Institute of Technology.
ロチェスター工科大学トーマス・H・ゴスネル生命科学部長のアンドレ・ハドソン氏は、「ワクチンとDNA修復の間に直接的な相関関係があると言う前に、注意しなければならない点がいくつもあります」と述べています。

One question, for example, is how the genetic material introduced into the kidney cells directed spike protein production: Was it the presence of the spike protein itself, or was it an overabundance of protein that led to their findings?
例えば、腎臓の細胞に導入された遺伝物質が、どのようにしてスパイクタンパク質の生産を指示したのでしょうか。発見されたのはスパイクタンパク質の存在そのものだったのか、それとも、過剰に発生したタンパク質だったのでしょうか。

Another question is replication: Can these findings be reproduced in other cell types or viruses that also use spike proteins? Does the age of the cells matter? “A lot of experimental details are still needed before you can make a definitive conclusion,” Hudson said.
複製についても疑問があります。この研究結果は、他の種類の細胞や、スパイクタンパク質を使用する他のウイルスでも、再現できるのでしょうか? 細胞の年齢は関係するのでしょうか?「実験の詳細に不明な点が多いため、断定的な結論を出すことはできない」とハドソン研究員は述べました。

The Swedish researchers conducted an in vitro study, meaning it was conducted in a test tube or petri dish in a controlled lab environment. In vitro studies do not necessarily translate directly to what would happen in the much more complex biological environment of the body.
スウェーデンの研究者たちが行ったのは、in vitro(イン・ビトロ)研究です。つまり、コントロールされた研究室の環境下における、試験管やシャーレの中の研究ということです。in vitro(イン・ビトロ)研究で起きたことが、より複雑な生物学的環境である体内において同様に起きるとは、必ずしも言えないのです。

Unlike the narrower parameters of an in vitro study, there are multiple cell types, immune responses and DNA repair mechanisms at play in people. “Though they may have evidence that it happened in a cell line in an in vitro system, that doesn’t mean that’s the way it would act or behave in animals or people,” said Hudson. “Many studies have been done in vitro that don’t translate to animal model systems.”
試験管内の研究における限定的なパラメータとは異なり、人間には複数の種類の細胞、複数の免疫反応、複数のDNA修復メカニズムが存在します。「試験管内の細胞株で起こったという証拠があっても、それが動物や人間でも同じように作用するとは限りません」とハドソン氏は述べています。「これまで試験管内で行われた研究の多くが、動物モデル系では適用されませんでした。」

Without replication in a study conducted on live animals or people, this study has limited clinical relevance to the COVID-19 vaccines.
生きた動物や人を対象にした試験で再現性が確認されない限りこの研究結果と新型コロナワクチンの臨床的な関連性は乏しいと言えます。

Our ruling
結論

The study, however, contradicts findings from previous studies that were also conducted on isolated cells in a lab environment. Until their results are replicated in human studies, this has limited bearing on COVID-19 vaccines.
この研究結果は、これまでに行われた同様の研究(実験室の中で分離された細胞に対して行われた研究)と矛盾するものでした。この結果がヒトを対象とした研究で再現されるまでは、新型コロナワクチンとの関連性は乏しいと言えます。

PolitiFact – DNA damage from COVID-19 spike proteins in lab study does not apply directly to COVID-19 vaccines

(参考)エビデンスの強さ

証拠(科学的根拠またはエビデンス)の強さは、上に行くほど強くなる。上に向けて蓄積されていくので二次研究が一次研究を拾いきれないラグも起こりうる。また効果のみを評価し副作用を考慮していない場合もある。

Wikipedia – in vitro

懸念の表明

2021年12月22日、論文に対する懸念が提起され、詳細な調査が開始されています。

One of the authors has raised concerns regarding the methodology employed in the study, the conclusions drawn and the insufficient consideration of laboratory staff and resources.
In order to keep the highest scientific standards, an in-depth investigation is initiated by the responsible editors together with the journal’s editorial office in collaboration with the editorial board, and in accordance with the Committee on Publication Ethics (COPE) guidance. The article will be updated and any necessary corrections made at the conclusion of the investigation process.
著者の一人は、この研究で採用された方法論、導き出された結論、研究所のスタッフおよびリソースへの配慮が不十分であることについて懸念を表明しています。
最高の科学的水準を保つため、責任編集者が編集委員会と協力して、出版倫理委員会(COPE)のガイダンスに基づき、ジャーナル編集部とともに詳細な調査を開始します。調査プロセスの終了後、記事は更新され、必要な訂正が行われます。
Expression of Concern published on 22 December 2021

参考にさせていただいたツイート

横から失礼します。おそらくHEK-293cellsを使った論文で、最後にこの実験では人、動物を利用せずと書かれています。つまり、培養した細胞レベルの話です。この実験では,人で同じ免疫抑制する可能性があると示唆している程度ではないでしょうか。論文にcancerと言う単語はありませんでした(財団名のみ)
riho nakatani

そもそも、この論文はワクチンの研究ではなく、感染によるスパイク蛋白の影響で「細胞修復機能を阻害」があると可能性を示唆しているものです。だから、ワクチンもスパイク蛋白があるのでより安全性が高いものを作りましょうと言う論文です。ワクチンに対するネガティブな論文ではありません。
riho nakatani

 

 

 

 

検索キーワード:核内に局在 主要なDNA修復タンパク質 損傷部位への移動を妨げ DNA損傷修復を阻害 機能的なB細胞やT細胞の生産を阻害 免疫不全 免疫系にダメージ 癌のリスクを増加させる ウメオ大学 Virus誌